この記事でわかること
- 火災保険が適用される条件
- 火災保険の上手く使う方法
- 火災保険が適用されるまでの流れ
結論からいうと、外壁塗装の費用すべてに火災保険が適用されることはありません。

ただ、適用される条件を満たせば必要な工事を無料で行うことは可能です。
僕は現場経験15年の中で、実際に火災保険を使った工事現場も経験しています。
保険のスペシャリストではありませんが、現場のチェックや写真撮影をしていたので、適応される被害はだいたいわかります。
この記事を読むことで、住宅によくある破損箇所、火災保険の上手な活用法がわかります。
外壁塗装で火災保険を使わないのは損!まずチェックすべき3つのこと
自分が加入している火災保険をまず確認。補償内容によって使える範囲が決まるので、必ず把握しておきましょう。
火災保険の種類をチェック
保険証券を見ればわかりやすいですね。
一般的な火災保険であれば以下のものは最低限補償されているはず。
一般的な火災保険の補償内容
- 火災
- 落雷
- 破裂
- 爆発
- 風災
- 雪災
- 雹災(ひょう)
さらに入っていると安心な補償は下記をご覧ください。
その他の補償
- 地震保険
- 水災(加入者は少なめ)
- 外部からの物体の飛来・落下
- 水漏れ(洗濯機の故障によるものなど)
- 不測かつ突発的な事故(かなり万能に使える)
また、対象が「建物」だけなのか「家財」も含まれているかの違いもありますね。
火災保険が適用される条件をチェック
外壁塗装に適用されるもので一般的なのは「風災」ですね。強い風で破損した箇所の修理には保険金が下りる可能性が高いです。
よくある被害箇所
- 屋根の破損
- 外壁のキズ
- 雨どいの破損
なんだか塗装が関係ないように思えますが、外壁塗装における最重要ポイントは補修。交換できる部分はできる限り直しておきましょう。
まとめて請求できる被害がないかチェック
火災保険は「災害で破損した箇所」が対象になります。具体的にいうと、台風〇号で傷んだ箇所すべてに適用されるという感じですね。
なので、何箇所も被害がある場合もありますし、破損+雨漏りだって考えられます。 外壁だけではなく、家の中にも被害がないか確認しましょう。

外壁塗装で火災保険を使うときの注意点
火災保険を上手く活用するために知っておくべきこと。基本的なことをチェック。
基本的に外壁の塗装は対象にならない
強風で塗装が剥がれたとかはありえない。それは、ただの手抜き工事、もしくは経年劣化と判断されてしまいます。
適用されないケース
- 塗装の色褪せがひどかった
- 外壁がボロボロになっていた
- もともと外壁に穴があいていた
火災保険が適用されるのは、破損した部分を直す過程で「塗装が必要な場合」のみです。

被害を受けてから3年以内に申請しないといけない
被害があってから3年以内に申請するのが一般的。これは単純にいつの被害か特定できなくなるからです。
いつの破損か判断できないものは適用されにくいですからね。3年もあるので余裕かもしれませんが「なぜ今更、、、」と思われてもめんどうです。
なるべく早めに申請するのをお忘れなく。
慣れている業者じゃないと適用されにくい
火災保険に詳しくない業者に依頼するは損。本来なら申請できた箇所を見逃すかもしれません。
こんな業者はダメ
- 申請の流れがわからない
- いい感じの写真が撮れない
- 適用される範囲がわからない
隅々までしっかりチェックして、被害があった場所をちゃんと説明できる業者じゃないと無理です。
火災保険が適用される工事例
ここからはさらに具体的にどんなものが適用されるかを解説します。
風災:台風や竜巻での破損
台風で外壁が破損。足場を組んで工事した。
ここで注意したいのが、塗装が必要ないと判断されるケースが多いこと。ただ、外壁が「製造中止」となっていて、同じものが手に入らない場合は塗装が必要になりますね。
また、災害による傷が原因でボロボロになるのを防ぐために塗装することもあります。
被害例の詳細は価格.com(火災保険で補償される、風災・雹(ひょう)災・雪災の詳細や申請方法)でもわかりやすく解説されています。
雪災:雪の重みによる変形
雪の重みで雨樋が破損。同じものが廃盤となっていたので新しく取り替えた。
基本的には部分補修になってしまいがちですが、同じ雨どいが生産中止になっていて用意できない場合は一帯(一面)をすべて交換できます。
足場が必要なケースも多いですね。火災保険が適用される可能性は高いです。
落雷:雷による外部の破損
家に雷が落ちて瓦が粉砕。部分的に交換、補修した。
これは破損した瓦が飛んでいき、別の箇所も被害が出るという二次災害にもつながります。
落雷に関しては滅多におこらないかもしれませんが、破損箇所は大きいハンマーで砕かれたような感じになります。

その他:保険によって変わる補償対象
補償内容は様々ですが、例えば「外部からの物体の飛来・落下」が対象内なら、災害じゃなくても火災保険が適用されます。
そして、中でも「不測かつ突発的な事故」は、けっこう便利に使えます。
これは僕も入っているのですが、簡単にいうと自分で家を壊しても火災保険がおりるタイプ。
もちろん故意はダメですが、「脚立を倒した」とか「車をぶつけた」ってのは事故ですよね。

火災保険が適用されるまでの流れ
まずは保険会社に電話しましょう。 僕の入っている保険の担当者は、話が早いので「必要な書類送るから、業者から見積りとっておいて!よろしく!」で終わります。
専門の業者に被害箇所を見てもらう
被害のあった場所の確認と写真を撮ってもらいましょう。
自分で写真を撮ることもできますが、業者に「火災保険を使う」とお願いした方が確実で早いです。
慣れている業者だと、申請できそうな場所はしっかり抑えてくれます。

専門の鑑定人に被害箇所を調査してもらう
必要な書類が揃ったら保険会社に提出。そこから鑑定人が被害状況を確認します。
この審査に関しては1つポイントがあって、被害が広範囲の地域に及ぶ場合は審査がゆるいケースがあります。
つまり地域一帯で被害が多いと、審査が通る可能性は高くなる。単純に被害が明らかなのと、調査が追いつかない状況になるからですね。
「大きな台風はチャンス!」と保険屋が言っていましたね。大きな声では言えませんが。
無事に審査が通れば保険金が振り込まれる
条件を満たしていればお金が振り込まれます。全額が承認されるかは、保険屋の判断しだいですので注意。
一般的には1ヶ月ほどで振り込まれることが多いみたいですね。
ざっくりの流れはこんな感じですが、いざやってみるとわからいことも多いと思うので、保険屋と施工業者に相談しながら進めていきましょう。

まとめ:外壁塗装で火災保険を使うタイミングを逃すな!
外壁塗装では工事全体の費用ではないものの、火災保険が適用されるケースは多いです。
実際に適用されたケース
- 台風で外壁が破損、足場を組んで工事した
- 雪の重みで雨樋が破損、新しく取り替えた
- 家に雷が落ちて瓦が粉砕、部分的に補修した
とはいえ入っている保険によって「対象となる被害」は違います。まずは保険内容の確認をしましょう。
あまり知られてませんが、火災保険は自動車保険と違い、使っても保険料があがることはありません。なので、せっかく入っているのなら、積極的に使うべきです。
ただ、ここでは業者選びも重要になってくるので、信頼できる業者に依頼しましょう。
