この記事でわかること
- 外壁リフォームは塗装以外の方法も考えるべき理由
- 住宅によく使われている外壁に適したリフォーム方法
- 外壁の「張替え・重ね貼り」の費用や注意点を解説
まず結論になりますが、外壁のリフォーム=塗装っていうのは間違い。必ず他の方法も視野にいれて考えるべきです。
僕は建築現場15年の経験で色んなリフォーム現場を見てきました。
その中でも外壁は「塗装では解決できない問題」も多く、せっかく塗装したのに数年でダメになってしまうこともあるんです。
そこでこの記事では、塗装にこだわらないほうが得する理由を解説。

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外壁リフォームは「塗装以外の方法」も考えるべき理由
塗装は外壁の表面を保護するもの。外壁が弱っていると効果は薄いです。

塗装では解決できない問題がある
外壁の劣化の中には、塗装では直せないものがあります。以下の症状が外壁全体に見られるようなら、塗装は厳しいかもしれません。
- 深いひび割れ
- 外壁の劣化が激しい
- 隙間から雨水が侵入
補修でカバーできる範囲を超えている場合は、費用が高くなっても張り替えをおすすめします。

張替えの方がコスパがいい場合もある
まずは以下の施工例を見てください。
- 施工例.1:ボロボロの外壁を部分的に張り替えて塗装した
- 施工例.2:既存の外壁をすべて張り替えて雨水の侵入を防いだ
上記の違いは「原因」を解決できているかどうか。
施工例.1では、また同じようにボロボロになる可能性も捨てきれません。
一方で施工例.2だと、費用はかかるものの、根本的な問題を解決できる。長い目でみると家を長持ちさせることができますよね。

自分の経験を活かして外壁を選ぶことができる
多くの人は家を建てるとき、あまり深く考えずに外壁を選んでいます。おそらく実際に住んでみてわかったこともあるはず。
しばらく住んでいると、、、
- 汚れが気になる場所がある
- 思っているより色褪せが早かった
- 他の家よりも劣化している部分が多い
上記は失敗というよりも「自分の家に合っていない外壁だったのかも」と考えるのがいいかもしれません。

住宅によく使われている外壁に適したリフォーム方法を提案
ここからは具体的に塗装以外の方法、リフォームでは一般的な「張替え」か「重ね張り」を提案します。
- 窯業系サイディング
- 金属系の外壁
- 木材の外壁
- モルタル壁
先にネタバレすると、それぞれ外壁の「弱点」を克服できる金属系サイディングに変えることをおすすめします。※海沿いの家には適さない
金属系サイディングの特徴 | |
メリット | デメリット |
耐久性が高い | 傷に弱い |
素材が軽い | 熱をもちやすい |
重ね貼りOK | 遮音性が低い |
ひび割れしない | ※断熱性が低い |
※断熱材入りのタイプも有り

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張替えがおすすめ:窯業系サイディング
グレードの低い窯業系サイディングは、表面がボロボロになりやすいです。中まで水がまわってしまうと、反ったりハゲたりし放題。
張替え、重ね張り、どちらもできますが、個人的には下地の様子がチェックできる張替えがおすすめ。
重ね張りのメリットもあるので、外壁の状態や費用をみて判断するのがいいかもしれませんね。
張替えがおすすめ:金属系の外壁
もともと金属系の外壁を選んだのであれば、メリットやデメリットもわかっているかと思います。
ぶっちゃけ塗替えでも問題ないのですが、外壁の洗浄とシーリングの打ち替え工事をして様子をみるのもアリです。
- 色褪せが気になる→塗替え
- 費用を浮かせたい→放置して張替え

重ね貼りがおすすめ:木材の外壁
色褪せがひどく、塗装もハゲやすい素材。塗替えのメンテナンスが大変だと感じているはず。
外壁の形状にもよりますが、木材の断熱効果をそのまま活かして重ね張りするのもいいかもしれませんね。
木の見た目や質感も素敵なんですが、正面をアクセントとして残して、他の部分を金属系の外壁にするとメンテナンスが楽になりますよ。
重ね貼りがおすすめ:モルタル壁
外壁に水が回っても、原因がどこかわからないのがモルタル壁のデメリット。
とはいえモルタルを撤去するのは大変なので、重ね貼りで包んでしまいましょう。
金属系サイディングに変えることで、見た目も悪くなる「ひび割れ」に悩まされることがなくなります。
金属系サイディングのメーカー・種類
いくつか外壁メーカーを紹介します。各社デザインも様々。
関連記事【最新】金属系サイディングと窯業系サイディングを5つの項目で比較
おすすめの外壁は日新製鋼の「Kスパン」
日鉄日新製鋼建材:http://www.ac.nisshin.nipponsteel.com/
カラーはセリオスプライムから選択。Kスパン(K型スパンドレルの略)はガルバリウム鋼板を曲げて形成されたシンプルなもの。
Kスパンの特徴
- 釘が表面に出ない
- 断熱材が入っていない
- 長尺物OK(つなぎ目なし)
見た目が「工場みたい」とか「物置」みたいという意見もあり好みは別れますね。ただ、コスパが良い。僕の住んでいる雪の降る地域(北陸地方)では人気です。
ニチハ
ニチハ株式会社:https://www.nichiha.co.jp/
ニチハは、1956年6月25日設立の外壁メーカー。窯業系サイディングが有名です。
商品ラインナップ
- i シリーズ
- t-color シリーズ
- プレミアムSPシリーズ
- プレミアムシリーズ
- モノカラーシリーズ
表面がフッ素で塗装されている「プレミアムシリーズ」の種類が豊富でおすすめ。
アイジー工業
アイジー工業:https://www.igkogyo.co.jp/
アイジー工業は、1970年設立の金属系サイディングが主力商品のメーカーです。
商品ラインナップ
- シンプルモダンシリーズ
- ナチュラルシリーズ
- ベーシックシリーズ
コスパが高く人気の金属系サイディングです。
旭トステム
旭トステム:https://www.asahitostem.co.jp/
旭トステムは、2004年12月1日に設立。AGCとLIXILが統合して作った外壁メーカーです。
商品ラインナップ
- スチール 深絞り
- スチール ニュースタンダード
- スチール スタンダード
- アルミ スタンダード
多くのデザインを揃えているので、リフォームの自由も高い。
金属系サイディング:張替えの費用や手順・注意点を解説
ここからは金属系サイディングに「張替え」をする場合の注意点などを説明していきますね。
30坪の住宅(約130㎡計算)
内容 | 単価 | 備考 |
ガルバリウム鋼板 | 4,000円~ / ㎡ | |
下地費用 | 1,000円~ / ㎡ | 胴縁下地 |
撤去費用 | 1,500円~ / ㎡ | 重ね貼りの場合は不要 |
足場費用 | 800円~ / ㎡ | |
シーリング費用 | 900円~ / m | メートルで計算 |
防水シート費用 | 500円~ / ㎡ |
※住宅の造りや壁材、補修費で変わる
上記はざっくりの費用ですが、30坪の住宅なら約120~180万円になります。
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張替えの手順
張替えの場合はまず古い外壁を撤去。電気の配線などを、あらかじめ専門の業者が外す場合もあります。
エアコンの室外機もずらしますが、使える状態のまま作業するのが一般的です。
大まかな工事の流れ
- 足場の設置
- 外壁の撤去
- 下地の新設
- 防水シート
- 外壁の施工
- シーリング工事
- 足場の撤去
住宅の造りにもよりますが、2週間から4週間くらいはかかると思っていたほうがいいでしょう。

張替えのメリット
基本的にすべて新しくするので、仕上がりが新築とほとんど変わらないです。
張替えのメリット
- 下地を直せる
- 家に負担が少ない
- 収まりがキレイになる
外壁の厚みがないので、マド周りの収まりもいい。外壁が軽くなることで耐震性も高くなります。
張替えのデメリット
重ね貼りと比べて撤去費用が余計にかかる。使っている外壁によって撤去費用も変わってきます。
- 撤去作業で工事費が高くなる
- 外壁によっては断熱性能が低くなる
- モルタル壁は張替えに適していない
廃材処分費や手間がかかり、工事期間も長くなる。金属系サイディングの遮音性に関しては、住宅の断熱材や構造によって変わります。
僕の家も金属系サイディングですが、音に敏感な妻も気にならないレベルです。
金属系サイディング:重ね張りの費用や手順・注意点を解説
重ね貼りは、張替えよりも工事が簡単なのが大きな特徴。ほとんどの外壁の上から施工できます。
30坪の住宅(約130㎡計算)
内容 | 単価 | 備考 |
ガルバリウム鋼板 | 4,000円~ / ㎡ | |
下地費用 | 1,000円~ / ㎡ | 胴縁下地 |
重ね貼りの場合は不要 | ||
足場費用 | 800円~ / ㎡ | |
シーリング費用 | 900円~ / m | メートルで計算 |
防水シート費用 | 500円~ / ㎡ |
※住宅の造りや壁材、補修費で変わる
上記はざっくりの費用ですが、30坪の住宅なら約100~160万円が相場ですかね。

重ね張りの手順
外壁の撤去がないだけで、基本的に張り替えと変わりません。工事に支障があるものは外してから作業が一般的。
エアコンの室外機をずらしますが、基本的には使える状態のまま作業を進めます。
大まかな工事の流れ
- 足場の設置
- 下地の新設
- 防水シート
- 外壁の施工
- シーリング工事
- 足場の撤去
張替えよりも工事期間が短いものの、2週間くらいはみておくといいかもしれませんね。

重ね張りのメリット
外壁を撤去しない分、ゴミ処理の費用も少なく工事も順調に進んでいきます。
- 解体工事特有の騒音がない
- 2重構造で断熱・遮音性が高くなる
- ゴミ処理や外壁の撤去費用が抑えられる
費用以外にもメリットがありますね。断熱効果でエコな住宅になる可能性もアリ。

重ね張りのデメリット
基本的に張り替えのメリットの逆になります。
- 下地が直せない
- 家に負担がかかる
- 収まりがいまひとつ
個人的には、下地と外壁の厚みのせいで「マドが外壁よりもへっこんだ状態」の収まりになるのが好きじゃない。
※わかりにくくてすみません。

張替え・重ね張りがおすすめな人
塗替えよりも費用がかかるものの、外壁を新しくできる「張替え・重ね貼り」は色んなメリットがあります。
火災保険で賢くリフォーム
関連記事外壁塗装で火災保険を使わないのは損!まずチェックすべき3つのこと
ガラッと雰囲気を変えたい人
塗装でも色味やデザインを変えることができますが、限界があります。
もはや新築のような雰囲気にもなるので「自分の家には見えないっ!」て喜んでいるお客さんもいました。

今の外壁のトラブルを改善したい人
外壁を新しくする1番のメリットは、今までのトラブルとお別れできること。
塗装では改善できないことも直すことができる。マジで費用以上の価値があるんですよ。

長く住むからしっかり外壁を選びたい人
新築のときよりも外壁を選ぶのにも慎重になりますよね。これがすごく重要。
- 新築のときより長持ちさせたい
- 同じようなトラブルは避けたい
- 長く残るような家にしていきたい
家を建てたときにはなかった「経験」が活きてきます。場所によって違う外壁の変化にも気づけたかなと思います。

まとめ:外壁リフォームは塗装以外の方法も考えて比較すべき!
外壁のリフォームは、ぜひ塗装以外の方法も視野に入れておきましょう。 塗装では解決できないトラブルも、外壁を新しくすることで解決できます。
張替え・重ね貼りがおすすめな人
- ガラッと雰囲気を変えたい人
- 今の外壁のトラブルを改善したい人
- 長く住むからしっかり外壁を選びたい人
塗装に比べると費用はかかりますが、それ以上に期待できる効果は高いです。
そのためには「今の外壁に持っている悩み」をしっかり改善できるものを選びましょう。

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