窯業系サイディングの塗装で艶消しはダメなの?何か選ぶ基準があれば知りたいな。
こんな疑問を塗装歴8年の僕が解決します。
塗料には5つの艶の種類がある
艶の種類 | 別の呼び方 | グロス値 |
艶有り | 全艶消し | 80以上 |
7分艶 | 3分艶消し | 70 |
5分艶 | 5分艶消し | 50 |
3分艶 | 7分艶消し | 30 |
艶消し | 全艶消し | 3〜10 |
※グロス値は参考までに
実は塗料は「艶」は見た目だけではなく「耐候性(たいこうせい)」にも影響します。
正直いうと、艶消し塗料は紫外線や雨から守るため力が弱いです。なので窯業系サイディングに使う塗料は3分艶以上を選びましょう。

窯業系サイディングに使う塗料に艶消しをあまりおすすめしない理由
艶消しは人気ですが、窯業系サイディングに使う場合はデメリットを知っておきましょう。
艶の種類 | 別の呼び方 | 耐候性 |
艶有り | 全艶消し | 高い |
7分艶 | 3分艶消し | ↓ |
5分艶 | 5分艶消し | ↓ |
3分艶 | 7分艶消し | ↓ |
艶消し | 全艶消し | 低い |
※そもそも「艶消し」が選べない塗料もあります
基本的に塗料は艶有りのほうが全体的に性能が高くなっています。
艶消しの塗料は汚れがつきやすい
艶消しの表面はデコボコしているので、汚れがしみ込みやすい状態になっています。
スマホのフィルムでいうと「低光沢タイプ」みたいな感じですね。表面に引っかかりがあるので、汚れやシミがに弱いです。
一度汚れがついてしまうとなかなかとれない。逆に艶有りは表面がツルっとしていて汚れをとるのもけっこう楽なんです。
艶有りに比べて耐候性が低くなる
多くの塗料は艶有りに「フラットベース」というつや消し剤を入れて艶を調整しています。
フラットベースの割合
- 7分艶:10%〜
- 5分艶:20%〜
- 3分艶:30%〜
- 艶消し:50%以上
艶消しにいたっては半分以上がフラットベースです。性能が低くなるのはわかりますよね。

見た目よりもメンテナンス性能が重要
外壁は車のように簡単にメンテナンスができないので、少しでも艶のある塗料をおすすめします。
外壁は、毎日紫外線や雨の影響を受けているのにも関わらず基本的に放置です。できれば少しでも長くもってもらいたいですよね。
外壁塗装にかかる費用は安くないので、見た目よりも性能を意識しましょう。
デメリットだけじゃない!艶消し塗料のメリットを紹介
ここまでは艶消しの塗料のデメリットばかりでしたが、もちろんメリットもあります。
傷や凹凸が目立ちにくい
艶消しは外壁の傷や歪みが目立ちません。
逆に艶有りは傷などが強調されるので、塗り終わったあとから、今まで気づかなかった傷やゆがみが目立つことあります。

落ち着いた雰囲気に仕上がる
艶があると太陽の光でギラギラ、じいちゃん世代にはウケがいいですね。
艶消し塗料なら
- ギラギラした主張がない
- 見えかたにムラが少ない
- 和風、洋風どちらにも合う
艶消しはどんな住宅にも合うし、人に与える印象も優しいです。
年数が経っても見た目が変わらない
艶引けというのがないので、色落ちしない限りは年数がたっても雰囲気を維持できます。
場所によって艶が残ってしまう艶有りとは違い、経年劣化による艶むらが起きないのは大きなメリットです。

塗料は艶をうまく使い分けると性能も見た目もバッチリ
ここで紹介するのは、艶があっても落ち着いた雰囲気に見せるテクニックです。
濃い色は艶を抑えたほうが上品に仕上がる
濃い色や鮮やかな色は「艶」で強調されるので艶を抑えたほうが上品。
白系の色はそこまで変わりませんが、「赤」「青」「黄色」「黒」「茶」といった色は艶によって雰囲気が全然違います。
逆に艶消しは同じ色でも「白くボケる」ので、色を選ぶときは必ずサンプルを取り寄せましょう。

凹凸が多い外壁はそこまで艶が目立たない
外壁でもデザインがフラットなのものほど艶が強調されます。
- 凹凸が多いデザイン→あまり光らない
- 金属系のフラットなデザイン→ギラギラと反射する
例えば上記のようなデザインであれば、5分艶くらいならそこまでギラつかないはずです。
凹凸が細かい=光が乱反射し「艶」が目立たなくなる。これは艶消し塗料の表面と同じ原理ですね。
天井部分は艶消しでもそこまで影響がない
天井部分は基本的に「紫外線」が直接当たらないから劣化スピードも遅い。
なので、天井部分に使われているケイカル版などは艶消し塗料が使われていますね。

まとめ:窯業系サイディングを塗装するなら見え目よりも性能で選ぼう
窯業系サイディングに使う塗料は3分艶をおすすめします。なぜなら、落ち着いた雰囲気もあり、艶消しよりも性能が高いからです。
塗装箇所によって艶を変えるといい
- 屋根→艶有り
- 外壁→3分艶
- 天井→艶消し
- 付帯部→3分艶
上記のような感じでOKかと思います。
ただ、色んな種類の塗料を使うと割高になってしまうことがあるのでやりすぎ注意です。
また、メーカーや塗料によっても艶の雰囲気が違うので、必ずサンプルを取り寄せて見比べてみましょう。
もし迷ったら屋根は艶有り、それ以外は3分艶にしておけば落ち着いた雰囲気の住宅に仕上がります。
