塗料選び

【保存版】塗料の上塗りと下塗りの役割、中塗りが必要な理由とは?

2020年9月15日

【保存版】塗料の上塗りと下塗りの役割、中塗りが必要な理由とは?

この記事でわかること

  • 上塗りと下塗りの基本的な役割の違い
  • 中塗りの意味と必要性は塗料によって変わる理由
  • 塗装の塗り回数は3回が必ずしも正解ではないって話

2012年から塗装業界にいるので僕の塗装歴は8年です(現在は工業系の塗装工)

さすがに超ベテランとはいえませんが、今でも毎日塗装をしています。

まず結論ですが、どんな塗料でも上塗りと下塗り「役割」「相性」をちゃんと理解していないとキレイに仕上げることができません

また、3回塗りをしていればOKというのは塗装の本質ではないです。

この記事では、基本的なことからマニアックなことまで初心者向けにわかりやすく解説していきます。

親方
誰も教えてくれない塗装で本当に大切なことがわかるよ!

塗料の上塗りと下塗りの役割、中塗りが必要な理由とは?

塗料の上塗りと下塗りの役割、中塗りが必要な理由とは?

塗装の3つの機能

  • 物の保護⇒金属を錆(サビ)などから守る
  • 物の美粧⇒美しく見せる、価値を高める
  • 機能の付与⇒耐熱や耐火など機能をもたせる

上記の目的を達成するためにそれぞれ適した塗料を選びます。

塗料:下塗りの役割

上塗りできる状態にすること。これなら仕上げてOKっていう準備が完了。

下塗りの主な効果

  • 防水性をもたせる
  • 遮熱効果の付与(補助)
  • 錆(さび)を抑制する
  • 素地に浸透し強化する
  • 小さいクラックや巣穴を埋める
  • 素地に浸透して密着性を高める
  • 素地の表面に塗膜を作り吸込みをとめる

※素地=塗る物

上記は「上塗り」にはない効果のものばかり。また、塗装の厚みをつけるのは基本的に下塗りの役割になります。

関連記事【超重要】窯業系サイデイングの塗装は下塗りをちゃんと選ばないと何を塗ってもダメ

塗料:中塗りの役割

基本的に中塗りという言葉は使いません。一般的な外壁の塗装では、下塗り1回、上塗り2回が基本

中塗りは3回塗りの真ん中みたいなイメージがありますが、正式には上塗りの密着性を高めるための工程になります。

親方
同じ塗料を2回塗っているなら、上塗り2回が適切な表現だ。

例外あり!フッ素塗料は「中塗り専用塗料」がある

フッ素塗料の中でも「汚れを洗い流す効果が特に高い」塗装は中塗り専用塗料が使用されます。

パワーオーデフレッシュFの塗装仕様

  • 下塗り1回:下塗り塗料
  • 中塗り1回:中塗り専用塗料
  • 上塗り1回:専用の上塗り塗料

参照:日本ペイント「パワーオーデフレッシュF」

上記ような「超低汚染」は汚れがつきにくい塗料。なので、専用の中塗りを使って密着性を高めています。

親方
簡単にいうと、上塗りの効果が高すぎて同じ塗料(上塗り2回)では剥がれる心配があるってことなんだ。

塗料:上塗りの役割

上塗りは塗装表面をキレイに保つための役割。

色んな効果がありますが、一般的には紫外線から守るために「耐候性(たいこうせい)」をメインに作られています。

上塗りの効果や性能

  • 防汚
  • 断熱
  • 防藻
  • 遮熱
  • 防カビ
  • 耐候性

シリコン塗料が有名ですね。塗膜の1番上の「層」になるのでトップとも言われたりします。

関連記事窯業系サイディングの塗料選びで失敗しないための5つのポイント

塗料の「塗り回数」は3回だから丁寧ってわけではない

塗料の「塗り回数」は3回だから丁寧ってわけではない

外壁塗装は3回塗りが基本。だけど実は4回塗りや、1回塗りの場合もあります。

重要なのは、なぜその回数になったのかっていう過程です。

3回塗りになるケース

外壁の状態がキレイな場合、住宅に使われていることが多い窯業系サイディングなんかは3回塗りが基本です。

窯業系サイディングの塗装工程

  • シーラー1回:密着性を高める
  • 上塗り1回目:適正の量を塗る
  • 上塗り2回目:適正の量を塗る

よくある工程ですが、重要なのは下塗り1回で済むレベルの痛み具合ってところ。

親方
上塗りを2回するのは仕様書を守っているだけの話。2回塗りで性能を発揮する塗料なんだ。丁寧というか普通。

4回塗り以上になるケース

塗る回数が増えるのは「下塗り」までの段階です。上塗りは基本的に2回で十分です。

下塗りが増えるケース

  • 下地の吸い込みが多い→下塗り2回
  • 下地の状態が悪い→シーラー+下地調整剤
  • 下塗りと模様付け→シーラー+弾性フィラーなど

※上記は外壁の種類や工法によって変わります

共通しているのは、上塗りが2回で仕上がるように下地を整えること。

親方
上塗りを3回しますっていう業者はちょっと意味がわかんないな。

1回塗りで仕上げるケース

これは意見が別れるかもしれませんが、雨どいは1回塗りで十分だと思います。

1回塗りで仕上げる理由

  • 見た目をキレイにするだけ
  • 破損や劣化は塗装では防げない
  • 密着性は高い上塗りを使うから

雨どいを塗るのは、外壁がキレイになった場合の見劣りを防ぐためのお化粧みたいなもの。何回も塗るのは無駄です。

なぜなら、水が流れる「中の部分」を塗装しないから。そうなると劣化は進みますよね。(中を塗装したとしても、ゴミや水で剥がれる確率が高い)

基本的に交換しないと根本的な問題は解決しません。金具の痛みや歪みもありますしね。

親方
個人的にはケレン→1回塗りの低予算で収めるほうがコスパがいいと思うんだ。

おまけ:塗料の成分や基礎知識について

おまけ:塗料の成分や基礎知識について

基礎的な部分を簡単に解説します。覚えておくと塗料選びの役に立ちますよ。

塗料の成分

塗料は4つの成分で構成されている。

缶の中ではそれぞれ分離しているので、使用前に混ぜる必要があるんです。

塗膜として残るもの

①:顔料→「色」を与える成分、サビ止め顔料など

②:樹脂→主成分、よく聞くシリコンやウレタンなど

③:添加剤→作業性を向上させる、ダレ止めや消泡剤など

揮発してなくなるもの

④:溶剤→塗料に流動性をもたせる、水性塗料は溶剤が「水」

塗料はそもそも「固形」の成分が多いので、「溶剤」がドロドロにする役割をもっています。

長期の保存ができないのは、溶剤が揮発して固まってしまうからですね。

塗料の種類

建築塗装で使うのは大きく分けて3つ

  • 水性塗料→水で薄めるもの
  • 弱溶剤→塗料用シンナーで薄めるもの
  • 強溶剤→ウレタンシンナーやエポキシシンナーで薄めるもの

外壁で使うものは水性がメインですが、金属系は弱溶剤が多いですね。

1液型と2液型

1液型と2液型の違い

1液型:そのまま混ぜて使う塗料

2液型:主材と効果剤にわかれている塗料

性能は2液型のほうが高くなります。

最近は水性塗料の性能もかなり高くなっていますが、外壁塗装でコスパがいいのは2液型の弱溶剤です。

親方
強溶剤は住宅にはあまり使われませんね。家具塗装なんかは強溶剤のウレタン塗装が多く使われている

まとめ:目的によって下塗りは変わるし上塗りを塗る回数も変わる

塗料はそれぞれ違いはありますが、物をキレイに保つために適正の使い方をしなければいけません

  • 下塗りと上塗りは基本が違う
  • 塗料はあらゆる性能を付与する
  • 塗る回数は3回が正解ではない

劣化がひどい場合は根本的な問題を解決しなければいけません。どんな高い塗料を使っても結果は一緒です。

親方
キレイな状態を保つのが塗装の目的。ボロボロに物に塗っても意味がないんだ。

関連記事【保存版】外壁塗装の業者選びで失敗しないために必要な3つのこと

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