「ねぇ瓦屋さん、屋根の修理に火災保険が使えるって本当?」
こういった内容をお客さんから聞かれることが増えてきました。確かに最近はネットでも火災保険の話を見かけますよね。
まず結論ですが、瓦の修理は火災保険が適用されます。もちろん条件はありますが、だいたい審査は通るんですよ。

まずあなたがすべきことは、火災保険を使う前提できちんとした業者に点検してもらうこと。
- 火災保険とか詳しくないし
- 適用されなかったらどうしよう
- どんな被害なら適用されるの?
知らないこと、わからないことはプロに任せてください。聞いてみるだけタダですし、屋根の点検や見積もりだけなら無料なんですから。
火災保険が下りればお金の負担も減るし、修理が終われば安心して住んでいられる。喜ぶお客さんが多いんですよ。
とはいえ注意点もあるので、これから解説していきます。どうぞ最後までお読みください。

現役の瓦職人だからこそわかる火災保険を使った工事の真実をお伝えします。
瓦屋根の修理に火災保険が適用されるか確認すべき3つの理由

何回でも言います。まずはあなたのお家の屋根に火災保険が適用されるか確認しましょう。
理由は3つあります。
- 調査しないとわからない
- 無料で点検を受けられる
- 審査が厳しくなる可能性がある
お客さんの中でも、火災保険が使えるなんて知らなかったって人が多いんです。

何十年も火災保険をかけているのに1度も使ったことがないって人ばかり。もったいないですよね。
①調査しないとわからない
火災保険が適用されるかどうか。まず気になるところですよね。これに関しては、実際に屋根の上で瓦の状態をチェックしないと何とも言えません。
- そもそも被害を受けているか
- 屋根がどんな状態になっているか
- 破損した原因が災害なのか
とにかく屋根を見てみないと判断できないんです。普段は見ることがない場所なので、知らないうちに被害が出ていることもあります。
まずは点検。話はそれから。

瓦屋根は定期点検が大切です。何もなくても季節の変わり目に点検を依頼するのも効果的ですよ。
②無料で点検を受けられる
僕がここまで点検を勧めるのは、点検によるデメリットがないからなんです。
被害がなかったらそれで安心。もし破損箇所があれば、自然災害が原因なのかを調べられるじゃないですか。
もし被害ゼロで火災保険が適用されなくても、無料で点検できたと思えばメリットはありますよね。
ただし、突然の訪問営業には十分注意してください。

「このあたりの地域を無料で点検しています」と言って、勝手に屋根瓦を修理して代金を請求する業者もいます。
③審査が厳しくなる可能性がある
瓦の修理に火災保険が使えるのを知らない人はまだまだ多いですが、だんだん口コミやネットで広がっています。
認知が広がる=火災保険を利用する人は増える。こうなると、保険の条件や審査が厳しくなってくる可能性もあるでしょう。
- 関係ない業者が出てくる
- すぐ利用する人が増える
- だんだん適用条件が厳しくなる
中には不正受給する人がいるのも事実。悪質な利用が増えると、保険会社、もしくは国が何かしら対策するかもしれませんよね。
言い方は悪いですが、使えるうちに使っておくのがベスト。ちゃんと火災保険をかけているんだから、使う権利があるんですよ。

瓦1枚の交換に「保険は?」と聞いてくる強者もいます。遠慮してたらチャンスを逃すかもしれませんよ。
火災保険が適用される瓦屋根の被害

自然災害による瓦の被害といっても、多くの人は「実際どんな感じ?」と疑問になるんじゃないですかね。
実際に火災保険が適用されているのは、瓦の「浮き」とか「割れ」がほとんどなんですよ。

ぶっちゃけニュースで見るような派手な被害って、そこまで多くありません。
強風で棟が崩れた

屋根の棟に積んである熨斗瓦(のしがわら)が風の影響でズレたり、崩れたりするケース。
棟は屋根のてっぺんにあるので、風の影響を受けやすいんです。台風のあとはチェックしておくとよいでしょう。
棟の瓦が下に落ちて、他の瓦が割れたりする危険もあります。

漆喰だけ補修する工事もありますが、中途半端に直すのはお金も無駄です。
詳しくは瓦屋根の漆喰を中途半端に補修するのはNG!まず原因と棟の状態を把握しようをチェックしてください。
強風で瓦がめくれた

瓦が風でズレたり、まくりあげられること。施工方法や場所によって被害の出やすさが変わるんですよ。
- 銅線で緊結されている瓦
- 土葺きで施工されている瓦
- 風の影響を受けやすい袖瓦や軒瓦
瓦の固定方法による違いですね。風を受けやすい場所なら動線や釘で止めてあっても、強風で引きちぎられる可能性があります。

特に土葺きは風に弱くなっています。
土葺き工法は要注意

土葺きとは、屋根の上に土を敷いて瓦を置くだけの工法。粘土質の土が接着剤のような役割を持っています。
釘も銅線も使わず、固定方法は土だけっていうのは今では考えられないですね。
瓦=災害に弱いというイメージは土葺きのせい。年数が経つと、土が痩せてしまうので、置いてあるだけの瓦がズレたり落たりするのは当たり前ですよね。

土葺き工法があまり使われていない地方もあります。ちなみに北陸地方では見たことがありません。
雪の重みで瓦が割れた

雪もけっこう被害が出やすいんですよ。春に屋根をチェックするのを忘れないようにしましょう。
- 雪が落ちるときに瓦がズレる
- 屋根に積もった雪が落ちて瓦が割れる
- 雨樋が雪の重みで歪む
つららや凍った雪なんかも瓦が割れる原因になるんですよ。
台風や強風のあとに加えて、雪解け後も被害が出やすいのを忘れないようにしてください。
強風でアンテナが倒れて瓦が割れた

アンテナは屋根にステンレス線で固定してあるので、瓦に被害が出やすいんです。
もし不要なアンテナが屋根に残っているなら早めに撤去しておきましょう。

屋根にアンテナが付いている住宅は注意ですね。
雷が落ちて瓦が破損した

屋根に雷が落ちると、瓦がハンマーで叩きつけられたような割れ方をします。破損した瓦が落ちてくる危険もあるので注意してください。
実際に瓦に雷が落ちた現場を見ましたが、落ちた場所の瓦は粉砕。屋根の被害は少なかったですが、家の中の電化製品がダメになっていましたね。
雷はけっこうレアなケースかもしれませんが、屋根にも被害が出ると覚えておきましょう。
火災保険を申請するにあたって瓦屋が行うこと

火災保険を使った工事を申請するのに瓦屋がやることは次の3つ。
- 被害状況をカメラで撮る
- 修繕工事の見積もりを出す
- 必要なら応急処置をしていく
簡単なことに感じるかもしれませんが、結構重要なんですよ。
火災保険を使った工事は、業者が適切に対応しないと保険が適用されません!
- 自然災害による被害とわかる
- 見積もり金額が適切である
- 不要な工事が含まれていない
自然災害による被害を直すのが目的。不要な工事が含まれていないことが条件です。
瓦屋は火災保険が下りるどうかは判断できないので、保険金が下りるであろう範囲を見極めて見積もりを作成します。

屋根の状態を写真で撮ったあとは、きちんと応急処置していくんですよ。
火災保険の詐欺に巻き込まれないように注意すべきこと

火災保険金が絡む「詐欺」は実際にあります。
いつの間にか巻き込まれているケースもあるので、うまい話だと思って騙されないようにしてください。
保険金だけを受け取ろうとする
最近はネットでも火災保険の情報が解説されているので、不正受給をしようと考えている人もいるようです。
実際にあったちょっとグレーな話をします。
「火災保険を申請したいから、現場の写真と見積書が欲しい」
実際にこういう依頼があるのですが、その後の修繕工事を依頼されないこともあります。
審査が通らなかった可能性もありますからね。ここに関しては僕たちは関与できません。
もらえる保険金の使い道に明確な決まりはないようので、かなりグレーな部分になります。初めからお金が目的なら詐欺とも言えるでしょう。
僕の会社では、あまりにも怪しい見積もり依頼は受けないようにしています。

巻き込まれると信用問題に関わりますからね。
悪質な業者の誘惑にのらない
訪問営業で「火災保険を使って工事をしませんか?」と言われたら、必ず断ってください。
そういった業者は、瓦を壊してでも火災保険を申請しようとします。これは完全な詐欺ですよね。
自然災害で破損している箇所がないのなら、火災保険は適用されません。業者から「お金が貰える」や「タダで工事できるようにします」など、怪しいことを言われたら必ず断ってください。
悪質な業者の誘いにのってしまったら、知らなかったからとは言えませんからね。
実践のある業者に依頼する
信用できる業者に依頼しましょう。
火災保険詐欺に気を付けるように言ってますが、完全に防げるものではありません。
- 大きな台風がきた
- 冬に大雪が続いた
- 地震の被害が出た
こういった状況になると、今まで瓦に関する仕事をしていなかった業者まで出てきたりするんです。
本職が忙しくて回れない状況を狙って、怪しい業者が儲けようとするパターン。
詐欺の判断は難しいところですが、地域全体が被害を受けた状況になったときでも落ち着いて判断してください。
火災保険に詳しい専門業者に依頼するのもあり

困ったときは、火災保険を使った工事に詳しい業者に相談するのがおすすめ。
「火災保険は風災と雪災と、、、症状が、、、」なんて考えていても、プロに見てもらったほうが早いからですね。
屋根の専門業者に依頼するのもいいんですが、全国建物診断サービスのような総合的に判断してくれる業者のほうがスムーズにいくことが多いです。
- 保険に詳しい専門家が対応してくれる
- ちょっとした被害も見逃さない
- 屋根だけではなく家全体をチェックできる
僕達は瓦の専門家として、屋根に関することは見逃しませんが、ぶっちゃけ「保険の対象になる被害」というくくりでは、少し弱い部分があります。
瓦屋は普段、火災保険に関係なく屋根の不具合を専門にしていますので。見る目線が少し違うといった感じですね。
やはり火災保険を使った工事に適しているのは保険に強い専門家になります。
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